チリワインといえば安旨ワイン!コスパの秘密とおすすめワイン3選を紹介!

チリワインといえば、コスパが良くて飲みやすいワインとして知られていますよね。

スーパーやコンビニでもチリワインはよく見かけますが、実は日本へ輸入されているワインの30%をチリワインが占めていて、日本への輸入量はフランスやイタリアと言ったワイン大国を抑えてチリワインは2015年から6年連続でトップです。

1番多くの日本人に飲まれているともいえるチリワイン。「なぜこんなにコスパがいいの?」「なぜ多くの日本人にチリワインが好まれているの?」そんな謎に今回は迫ります!

目次

チリワインはなぜコスパがいいの?

チリワインの魅力といえば、その手軽な価格帯!750mlのボトルでワンコイン500円から購入できるものがたくさんあります。また赤ワインや白ワイン、スパークリングワインなどワインの種類も豊富ですよね。

ただ、安いワインといえば、「味も安っぽいのでは?」「品質に問題があるのでは?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、チリワインはただ安いだけでなくおいしさや品質も保証されているワインが多いんです!

なぜ、チリワインがなぜコスパがいいのか?その理由を知るとさらにチリワインの魅力にはまってしまいますよ!

チリワインのコスパがいい理由①チリの土地

チリワインがコスパがいい理由の1つ目は、チリの地形や気候がブドウの栽培にピッタリなこと

チリは全長4300㎞の細長い国です。観光地としては、イースター島のモアイ像が有名でしょう。いろいろな気候がありますが、中央部は以下のような特徴があります。

  • 温暖
  • 朝晩が冷えるため夏でも涼しい
  • 日照時間が短い
  • ほとんど雨が降らない

これらはワイン造りのためのブドウ栽培に適しています

またチリは、周りを海と山に囲まれています。この地形のおかげで、チリは「フィロキセア」という世界中に多大な影響を及ぼした害虫被害を世界で唯一免れた国だといわれているんです!

フィロキセアは別名「ブドウネアブラムシ」と呼ばれています。葉や根にくっついてコブを作ってしまうため、ブドウの木は養分を吸収できずに枯れてしまうのです、、、。

19世紀。フィロキセアによって、ヨーロッパのブドウの木が次々と枯れてしまいました。特にフランスのワイン産業は大きなダメージを受け、ほぼ壊滅状態になってしまいます。

しかしチリはフィロキセアの被害をまぬがれ、ワインの製造を続けることができたんです! そして現在でも、ヨーロッパでは絶滅してしまったブドウ品種「カルメネール」の木が残っています。カルメネールはフランス原産ですが、運よくチリに持ちこまれて生き残ることができた幻の品種です。

チリワインのコスパがいい理由②土地代や人件費が安い

2つ目の理由は、土地代や人件費が安いので大量生産ができるからです。

チリはヨーロッパ諸国と比べても、土地代・人件費が安いんです! またワイナリーも大規模なので、大量生産ができます

ここでチリの代表的なワイナリーの1つ、コノスルのエピソードを紹介しましょう。コノスルのトレードマークといえば「自転車」ですが、これは「醸造家たちへの敬意」を表しています。

コノスルの農場は、東京ドーム64個分もの広さに匹敵します。しかし醸造家たちはバイクなどを使わずに、自転車で移動するんです。

これはコノスルが徹底してこだわる「自然な方法」。CO2の排出量を減らし、自然環境を守る取り組みの1つです。またコノスルは、ガチョウやヒツジ・昆虫などの生態系も豊かです。害虫・病害・雑草の駆除も、自然に配慮するかたちで行われています。

このような企業努力によって、品質が高く安全なチリワインが低価格で販売されているんですね! そして大規模な農場で日々、献身的に働く醸造家たち。彼らに敬意を表し、エチケットのトレードマークには自転車が描かれるようになったという経緯があります。

チリワインのコスパがいい理由③関税が0!

通常ほかの国からワインを輸入する場合、15%の関税がかかります。しかしチリワインの関税は0

日本とチリには経済連携協定(EPA)という貿易協定が結ばれています。段階的にワインの関税が下げられ、2019年にはついに完全撤廃されました。ちなみに2020年において、ワインの日本への輸入国ランキングでチリは6年連続1位です!

また世界地図で日本とチリの位置関係を見てみましょう。両国のあいだにあるのは太平洋、つまり海しかないんです。そこで輸送の9割を船便でまかなえるため、コストが安くなります

たけまいのアイコン画像たけまい

チリワインの安さの秘密は自然環境やや関税の取り決め、日本との位置関係などの好条件が全部そろっているからなんですよ。残念ながら勘違いされてしまうこともありますが、決して、品質を落として低価格ワインを作っているというわけではなんです。

チリワインの基礎知識

チリワインの味の特徴は、各ブドウ品種の特性がとてもしっかり出ていること

赤ワインは、カベルネ・ソーヴィニヨンが多く作られています。カベルネ・ソーヴィニヨンは、世界でも最もメジャーな赤ワイン用のブドウ品種の1つです。特にチリ産のものは「チリカベ」と呼ばれていて、高い人気を誇ります。

白ワインはソーヴィニヨン・ブランシャルドネが多く作られています。ソーヴィニヨン・ブランは、さわやかな味と香りが特徴の白ワインです。またシャルドネは世界中で栽培されている最もポピュラーな白ワイン用ブドウです。

コスパの理由を説明した際に「チリはワイン用のブドウ品種にとって最高の栽培環境だ」とお伝えしましたが、たっぷりと太陽を浴びてじっくり熟成してから収穫されるため、果実の味わいが濃くなります

フルーティで味がはっきりしているチリワインは、ブドウごとの特色も掴みやすいのでワイン初心者にもおすすめですよ。

チリワインの歴史

ヨーロッパのワイン産地に比べると、チリワインの歴史は比較的新しいく、ワイン造りが始まったのは16世紀ごろ。アメリカなどの比較的歴史の浅いワイン産地と合わせて「ニューワールドワイン」と呼ばれたりしています。

当時、チリはスペインの植民地でした。そしてスペインの宣教師からブドウ栽培が伝えられたことから、チリワインの歴史が始まります。

実は植民地でワイン産業が始まることは、世界史的に見ると珍しいことではありません。当時のヨーロッパの人々にとって、ワインは生活に欠かせないものでした。だから母国から輸送するよりも現地で栽培してしまった方が効率がよかったのです!

そしてチリワインの歴史的な転機こそ、フィロキセアによる世界的な被害。これがきっかけでチリワインが評価されるようになったんですね。

コスパよし!おすすめのチリワイン3選

それでは最後に、おすすめのチリワインを3種類紹介していきます。飲みやすさはもちろん、「お手軽に楽しみたい」という方のためにコスパも重視してセレクションしました!

チリワインは種類も豊富。また手に入りやすいお値段なので、いろいろ試してみるのも楽しいでしょう。

コノスル・レゼルヴェ・エスペシャル カベルネ・ソーヴィニヨン

画像引用:ワイン好きのための情報サイト コノスルラヴァーズ https://conosur-lovers.jp/
値段1,100円ほど
ブドウ品種カベルネほか3種の黒ブドウ
おすすめペアリングサーロインステーキ、カマンベールチーズ、すき焼き、ラグーソースのパスタ

先ほども紹介した大型ワイナリー・コノスルで製造された「レザルヴァシリーズ」です。手摘みで収穫し、じっくりと熟成させました。このため収穫地の気候や土地の個性を表現していることに特徴があります。

ブドウ品種はカベルネ85%、カベルネ・フラン11%、プチヴェルド4%です。このようなワインにおけるブドウの混合割合を「セパージュ」と呼びます。

色は濃いルビー色です。カシスやブラックチェリーの香りに、タバコが複雑性を与えます。タンニンがよく効き、スパイシーな味わいです。まさに「チリカベ」が味わえるワインでしょう。おしゃれなおつまみとも相性バッチリです。

カッシェロ・デル・ディアブロ カルメネール

画像引用:よろこびがつなぐ世界へKIRIN https://www.kirin.co.jp/
値段1,200円ほど
ブドウ品種カルメネール
おすすめペアリング赤身の肉、ハーブ野菜のグリル、ミートソースパスタ

先ほど紹介した、フランス・ボルドー由来の幻の品種カルメネール!これを100%使用したワインです。

「カッシェロ」はスペイン語で「ロッカー」を表します。「デル」は「〜の」、「ディアブロ」は「悪魔」の意味です。これをつなげて、日本語では「悪魔の蔵」と訳されます。

チリ最大のワイナリーといえばコンチャ・イ・トロ社です。その創立者であるドン・メルチョーは当時、ワインの盗み飲みに頭を悩ませていました。そこでドン・メルチョーは「この蔵に悪魔がいる」という噂を流したという逸話があります。まさに悪魔に守られたワインといえるでしょう。

色は深い赤紫色をしています。チョコレートの甘い香りと、タバコやコーヒーなどのジューシーな香りが特徴です。味はややスパイシーですが、あっさりとしているため飲みやすいでしょう。トマトソースなど、酸っぱいおかずにもよく合います

キンタ・ラス・カブラス シャルドネ

画像引用:東亜商事|Passion Cellar https://wine.toashoji.com/
値段500円
ブドウ品種シャルドネ
おすすめペアリングスモークタン、6Pチーズ、サラダチキン

ワンコインで飲める辛口ワインです。セブンイレブンなどで入手することができます。そのお手頃さ・お手軽さから、晩酌など軽く1杯楽しむときに愛飲している方も多いようです。

白ワインですが、ややグリーンがかった色合いが特徴といえるでしょう。香りは桃や柑橘類などフルーティです。ほかにもアプリコットやパイナップル・レモン・グレープフルーツなど、さわやかな味が口に広がります。

しかし甘すぎず、さっぱりと飲むことができるでしょう。コンビニに売っているサラダチキンなどのお手頃ツマミとも、相性バツグンです

番外編:チャドウィック

画像引用:PIEROTH https://www.pieroth.jp/
値段3万円から
ブドウ品種カベルネ100%
おすすめペアリングローストビーフ、すき焼き、ミートローフ

権威ある賞を次々と受賞し、世界を驚かせたワインです。ワイン誌でも100点を連発していた「シャトールマルゴー2000年ヴィンテージ」に圧勝!チリワインの世界的な評価の底上げに、貢献したといえるでしょう

たけまいのアイコン画像たけまい

決して安くはないお値段! しかしチリワインはコスパだけじゃないことを、ぜひお伝えしたかったんです。エレガントな味とシルキーで滑らかな舌ざわり。これを体験すれば、チリワインの底力を感じることができるでしょう!

デイリーワインとしてチリワインを楽しもう!

今回は、チリワインのコスパの理由について紹介しました。安くて手に入りやすいチリワインは、毎日の楽しみとして気安く飲むことができるでしょう。

しかし「安い=品質が悪い」のではなく、さまざまな好条件が重なった結果のコスパです。味は濃厚でフルーティなので、ワイン初心者にもおすすめできます。

おしゃれでおいしいチリワインは、食事にもピッタリです。気軽に手に取って、自分の「お気に入り」を見つけてくださいね!

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この記事を書いた人

ワインざんまい 記事監修 武井麻妃(たけいまい)
1991年東京生まれ。女優。2016年ワインソムリエの資格を独学により取得。2018年にはミス・ワイン日本大会にて準グランプリを受賞。
ミス・ワインとして日本ワインの普及や生産地の活性化のためのイベント活動に取り組む。趣味は、ワインのほかにも茶道、ダンス、筋トレ、オーボエ(高校で全国優勝)など。

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